いや・・・怖っ!!!!
「痛快なコメディ!」という話を聞いていましたが、痛快とかそういうレベルじゃない、「アイタタタタタタタタタタタタタタ!!!!」なホラーでした。
お話は、父トマス、母エバ、娘ヴェラ、息子ハリーの四人が5日間の休暇でスキーにやってくることから始まります。
そして、昼食中、突然雪崩がやってきます。
ここから悲劇の始まり。
泣き叫ぶヴェラとハリー、子供たちを抱き寄せるエバ。
トマス、携帯をひっつかんで一目散に逃走。
幸い雪崩は大したことがなく、家族も全員無事だったのですが、戻ってきたトマスに対する態度が冷たい。
そりゃそうだよな、さっき我先にと逃げて行ったんだもん。
ホテルに戻っても空気は険悪なまま。
エバが「逃げたでしょ」と詰め寄ると、夫として、父としての尊厳に傷をつけたくないトマスは「それは君の認識が間違ってる。僕は逃げてない。」の一点張り。
さっさと謝れば済むものを!!!!
プライドの高さが災いして、さらに修羅場に。
さらに、トマスの話を主軸に、周りを取り巻く人々の醜態もこれでもかというほど曝け出されます。
人間、追いつめられるとどんどん黒い部分が出てくるんですよね。
トマスの心境の変化に伴う音楽の使い分けが面白いです。
これが
Vivaldi "Summer"
Sebastian Ingrosso, Tommy Trash, John Martin "Reload"
この話の何が怖いって、トマスの行動が全然他人事じゃないことなんです。
「このままだと死ぬかも!」という状況に陥ったとき、とっさに自分だけ助かろうとするのはきっとトマスだけじゃない。私も、みんなそう。
そして、同じように、きっとすぐには平謝りできないと思うんです。
悪いことをしたときにすぐに謝っていれば喧嘩なんて滅多に起こらないはず・・・・だけど記憶にある限りでも数えられないほど喧嘩をしているということは、すぐに言い訳しようとすることが多いということ。
人間というのは、なかなか自分の過ちを認められないものなのでしょう。
Force Majeureというのは「不可抗力」という意味。
人間の性質上、ドミノのように修羅場に転げ落ちてしまうことがあるのです。
これを無邪気に笑っていられる人間になりたかった・・・・。
これを観終わったあと、年上の友人に「こういうのが積み重なると私みたいに離婚するんだよ!」と言われて恐ろしさ倍増。
爆笑と震恐の絶妙なブレンド。
色んな意味でお腹が痛い映画でした。
予習
不要
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