TVシリーズ『ひつじのショーン』の映画版。
美術と音楽が本当に素晴らしい。
まず、クレイアニメの質感。
ピクサーのCGももちろん綺麗なのですが、実際に作ってストップモーションで撮影するという、惜しみない労力を注いだだけあって、無駄なシーンが全くありません。予算をケチってキャラクターをできるだけ静止させておくということもなく、キャラクターたちは本当によく動きます。
そして、粘土でできたキャラクターたちが本当に愛しいのです。
ショーンはもちろん、ビッツァーやすきっぱスリップ、ぐうたら牧場主、他の羊たちや家畜たち、さらには悪役のトランパーまで、映画が終わるころには大好きになっていました。
そして、オリジナル曲を始めとする音楽も楽しい。
ショーンたちが街を迷走するときのBGMにはPitbullのFireballが使われています。これがなかなか良いです。
Pitbull "Fireball"
"Feels Like Summer"
もちろん、話も素晴らしい。
TVシリーズではショーンが羊離れした悪戯をするというのが毎回の流れなのだそうですが(筆者は未見)、映画ではその『当たり前だと思っていた日常』の大切さに気付く話なんですね。
街へ出たことで、ショーンたちは気づきます。
当たり前のようにごはんが食べられて、当たり前のように安心して眠れて、当たり前のように定期的に毛をカットしてもらえる。
牧場主も、忘れているんですよね。当たり前のように羊たちや犬、他の動物たちがいる幸せを。
ありふれたテーマなのですが、これがかなりジーンとくるのです。
大切なものは失って初めて気づく・・・改めて本当なんだなあと実感。
そして、もう一つ悲しいことを知ります。
動物であるショーンやビッツァーは、街で生きることはできないんですよね。
一方で、牧場主は美容師としての才能を発揮します。
やっと彼を見つけたショーンたちも、牧場の外で活躍する牧場主を見たときの、ショーンたちの寂しそうな姿が胸に迫ります。
しんみりする話ではありますが、ギャグのセンスも抜群。
クレイアニメの利点を生かして、やりたい放題です。
筆者のお気に入りは、ひつじたちが牧場主を眠らせるためエンドレスに柵を飛ぶシーン。
牧場主、爆沈。
羊で眠くなるのって全世界共通なのねwwww
子供向けのようにも見えますが、大人にこそ観てほしい作品です。
予習
不要
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